母子支援員(旧母子指導員)は、母子生活支援施設において、配偶者(夫)との離婚や死別によって困窮に陥ったり、配偶者による暴力などで家を出ざるを得なくなった、18歳未満の子供を持つ女性に対して、自立のための就職支援や育児相談をおこなうほか、法的な手続きや福祉事務所など関係各機関との連絡調整などを担当します。母子生活支援施設に入所する人のケースでは、経済的な問題だけではなく、精神的なダメージを負っていることも多いので、自立支援には心のケアが重要な要素になります。なお、母子生活支援施設は全国におよそ300施設あり、そのうち公立の施設が半分を占めています。
母子生活支援施設など。
母子支援員(旧母子指導員)として就職するための資格には、保育士、社会福祉士、精神保健福祉士の3つがあります。しかし必須条件というわけではなく、これらの資格がなくても、児童福祉事業において2年以上の実務経験があれば、法的には誰でも就職可能となっています。とはいえ、児童福祉事業に従事するためには相応の資格が求められるのが通例であることから、現実的には保育士や児童指導員任用資格、社会福祉士などの有資格者に限定された職種と言っても過言ではなく、したがって、母子支援員への就職をめざすならば、前出の資格が取得できる学校に進学(もしくは通信課程を履修)して、資格を取得することが事実上の必須条件と考えても構わないでしょう。ただし、母子生活支援施設には複雑な生活環境を背景に持つ入所者が多く、これに対応する母子支援員にはある程度の社会経験が必要で、いずれにせよ新卒者にとって就職が難しい職種であることは確かです。
上述の通り、母子支援員になるために必ずしも国家資格は必要ないものの、実際には保育士や社会福祉士などの有資格者が採用されることがほとんどのため、これらの試験の受験資格が取得できる大学・短大・専門学校・通信教育で学ぶことが母子支援員になるための勉強となるでしょう。また、母子支援員の勤める施設の半数が公立であることから、公務員試験に合格することも就職への近道となりますが、公務員に採用され、福祉職に就いたとしても、最初から母子生活支援施設に配属されるかどうかはわかりません。
保育士(国)/社会福祉士(国)/精神保健福祉士(国)/児童指導員(任)
※(国)国家資格、(任)任用資格
全国保育士養成協議会/全国社会福祉協議会/全国母子寡婦福祉団体協議会
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